我が悪をいうものは、我が師なり

こんにちは。



本日も、

ゆうこりん作成
オリジナルの禅語カード

を使って、
禅語をご紹介させていただきます。

読んでくださる方の
生活や人生の一助になれば幸いです。



・・・



さて、本日ご紹介しますのは、

「我が悪をいうものは、我が師なり」

です。



これは、鎌倉時代に書かれた
説話集「沙石集」に記された言葉です。

「自分の欠点を指摘してくれる人は
 師だと思って向き合いましょう」
という意味が込められています。



・・・



なんとも、耳が痛い話ですね…



私の経験で恐縮であるのと、
お恥ずかしい部分もあるのですが、
ちょっとしたエピソードを
ご紹介したいと思います。



・・・



私は、研修講師ということもあって、
アンケートを頂戴することが多くあります。


ありがたいことに、
「わかりやすかったです」
「楽しかったです」
「これから活用します」
などの感想を多くいただきます。



たまに、
「○○は□□した方がいい」
などのご意見もいただき、
その都度反映させて、
成長のために活用させていただいております。



そんな中、
衝撃的なアンケートを頂戴しました。



それは、一言。

「幼稚な話し方を直した方がいい」

と書いてあったのです。


受け取ったときの衝撃たるや・・・

ハンマーか何かで頭を殴られたような…
鋭い爪でひっかかれたような…
とにかく、

目がぱちくりしてしまう

ほどの衝撃でした。



具体的に「○○が」というご指摘でしたら
検証しようもあるのですが、
自分の話し方は、自分では検証しようがありません。



仕事仲間に聞いても
「そんなことないと思う、
 ちゃんと大人として話している」
と言われてしまい、
はてさて真相がわかりません。。。



けれども、
アンケートというのは、
聞き逃すことのできない貴重なご意見です。


「今すぐ理解できなくとも、
 いずれわかりたい」

という思いから、

「問い」として私の中に残し

しばし持ち続けることしました。



・・・



そして、数年が経った昨年、
ようやく問いに決着がつきました。



どう決着したかといいますと、

私の中の幼稚性を受け入れる

ことで決着がついたのです。



といいますのも、
禅語カード「主人公」にて書かせていただいたとおり、
禅の世界では、

「私の中にいる本当の私」に
気がつくことが大切

だと考えられています。



主人公は、
人生を共に歩んでくれる存在で、
私の場合は、

3歳の女の子

と一緒に手をつないで人生を歩んでいる
ような感覚を持っています。



それは、まさしく

幼稚性そのもの

でした。



・・・



このことに気がついたとき、
ようやくアンケートの意味を理解できました。



書いてくださった方は、
隠そうとしてもチラチラと出てしまう
私の中の幼稚性を見抜いていらしたんですね。



もう、このことには

感謝

というほかありません。



だって、
書いてくださった方も、
決して喜んで書いたわけではなくて、

言いにくいことを
あえて言ってくださった

ことと思うのです。



もしかしたら、
「ひどいこと書いちゃったなぁ」と
思い続けてらっしゃるかもしれません。



でも、おかげさまで

問いとして持ち続け、
主人公に気づく

ことができました。



この経験は、まさに

「我が悪をいうものは、我が師なり」

そのものだと思うのです。



・・・



自分の欠点を指摘してくれる人と
きちんと向き合うことで、
人生は開けていくものですね。



もうお名前もお顔も
忘れてしまったのですが、
感謝の念はいまだ持ち続けております。



もちろん、
すべての出会いに感謝
ということは言うまでもありません。



これからも人からいただいた
貴重なフィードバックを
うまく自分に取り入れながら生きていきたい…
そんなふうに思っております。



本日は、
私の拙い経験をもとに
お話させていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

© 2020 Endo Yuko